2025年8月、マリオットボンヴォイアメックスカードが大幅改定されました。
年会費の値上げや無料宿泊特典の条件厳格化、特典・補償の強化など、利用者にとってメリットとデメリットの両面があります。
本記事では改訂前後の違いを一覧表でわかりやすく解説し、どんな人に向いているのか、注意点や活用法まで詳しく紹介します。
2025年8月改訂で何が変わった?概要をチェック
2025年8月21日から、マリオットボンヴォイアメックスカードの制度が大幅に改訂されました。
年会費の値上げや無料宿泊特典の条件厳格化、補償・特典の強化など、利用者によってメリット・デメリットが分かれる内容です。
これからカードを作る場合も、継続する場合も、自分の利用状況に合うかを見極めることが重要です。
改訂前後の主な違い(概要)
- 年会費:プレミアム 49,500円 → 82,500円
- 無料宿泊特典条件:150万円 → プレミアム400万円/通常250万円
- 無料宿泊上限:プレミアム 50,000pt → 75,000pt
- 家族カード:2枚目以降 24,750円 → 41,250円
- 海外旅行保険:最高5,000万円 → 最高1億円
詳細比較表
項目 | 改訂前 | 改訂後 |
---|---|---|
年会費(プレミアム) | 49,500円 | 82,500円 |
年会費(通常) | 23,100円 | 34,100円 |
家族カード年会費 | 1枚目無料/2枚目以降24,750円 | 1枚目無料/2枚目以降41,250円 |
ゴールドエリート付与 | プレミアムのみ | 両カード |
プラチナ昇格条件 | 400万円 | 500万円 |
無料宿泊特典条件 | 年間150万円 | プレミアム400万円/通常250万円 |
無料宿泊上限 | プレミアム50,000pt/通常35,000pt | プレミアム75,000pt/通常35,000pt |
宿泊エリート実績付与 | 15泊(プレミアムのみ) | 同条件 |
海外旅行保険 | 最高5,000万円 | 最高1億円 |
ショッピング保険 | 最大200万円 | 最大500万円 |
空港ラウンジ | 国内28空港等 | 国内対象縮小(2025年6月改訂) |
手荷物無料宅配 | 国際線往復1回無料 | 同条件 |
ダイニング特典 | なし | 月25ドル(年最大300ドル) |
カードデザイン | 表面番号あり | 黒基調・裏面番号 |
適用開始時期 | — | 新規8/21〜、既存10/28〜 |
年会費と家族カード年会費の改定
改訂後は、プレミアム82,500円、通常34,100円と大幅な値上げになりました。
家族カードも2枚目以降が41,250円となり、維持コストが上がっています。
特典を活用できるかがポイントです。
プレミアムカード
旧制度49,500円 → 新制度82,500円。
旅行保険や特典の充実を活用できれば価値がありますが、利用が少ない場合は負担が重くなります。
通常カード
23,100円 → 34,100円。
ゴールド資格自動付与や保険強化のメリットがありますが、利用が少なければ費用対効果は低下します。
家族カード
1枚目無料は変わらず、2枚目以降は24,750円 → 41,250円に値上げ。
家族利用が多い場合は有効ですが、発行枚数の見直しも必要です。
ポイントプログラムと還元率の変更
基本のポイント付与率は据え置きですが、無料宿泊特典の獲得条件が大幅に引き上げられ、実質的に特典を活用できる層が限られます。
基本ポイント還元率
100円=3ポイント。
ホテル利用時はカードポイントに加えて宿泊ポイントも加算され、実質還元率が高まります。
ボーナスポイント獲得の条件
マリオット公式サイト経由の予約や年間利用額が多い場合、ボーナスポイントが付与されます。
条件を把握し計画的に活用すると効率的に貯まります。
マイル移行と使い道
3ポイント=1マイルで世界40社以上に移行可能。
6万ポイント移行ごとに5,000マイルのボーナスあり。宿泊と組み合わせると旅行の幅が広がります。
マイルの交換条件には、変更は有りません
無料宿泊特典条件のカード利用額
旧制度:年間150万円以上 → 新制度:プレミアム400万円/通常250万円に引き上げ。
家族カード分は合算可能ですが、条件達成は難しくなりました。
カード種別 | 改訂前 | 改訂後 |
---|---|---|
プレミアム | 150万円 | 400万円 |
通常 | 150万円 | 250万円 |
無料宿泊特典の条件と使い勝手
無料宿泊特典は、カードの年間利用額条件を達成すると付与されます。
改訂後は条件が大幅に引き上げられ、高額利用者向けの特典になりました。
一方でポイント上限が拡大し、より高ランクのホテルにも泊まれる可能性が広がっています。
無料宿泊特典とエリート会員資格の比較(改訂前 vs 改訂後)
項目 | 改訂前 | 改訂後 |
---|---|---|
無料宿泊特典獲得条件 | 年間150万円(全カード共通) | プレミアム:年間400万円 通常:年間250万円 |
無料宿泊特典上限 | プレミアム:50,000pt 通常:35,000pt(+15,000pt追加可) | プレミアム:75,000pt(+15,000pt追加可) 通常:35,000pt(追加可) |
有効期限 | 発行から1年間 | 発行から1年間(同条件) |
無料宿泊特典を得る条件(年間利用額)
改訂後は、プレミアムで年間400万円、通常カードで年間250万円の利用が必要です。旧制度の150万円に比べ大幅な増額で、高額利用者に特化した条件になりました。家族カード分も合算可能です。
無料宿泊特典の最大ポイントと対象ホテル
プレミアムは最大75,000pt、通常カードは最大35,000ptまでのホテルで利用可能です。
15,000ptまで追加して、より上位のホテルにも宿泊できます。繁忙期や人気ホテルでも利用できる可能性があります。
無料宿泊特典を使う際の注意点
有効期限は発行から1年間です。繁忙期や人気ホテルはポイント宿泊枠が限られるため、早めの予約が必要です。
利用計画を立て、希望日に使えるよう事前に押さえましょう。
エリート会員資格の付与・昇格条件
改訂後は、両カードでゴールドエリート資格が自動付与されるようになりました。
さらにプレミアム会員は年間利用額に応じてプラチナエリートへ昇格できます。
宿泊実績15泊分の付与も継続され、上位ステータスを目指す人には有利な環境です。
エリート会員資格比較(改訂前 vs 改訂後)
項目 | 改訂前 | 改訂後 |
---|---|---|
ゴールドエリート付与 | プレミアムのみ | プレミアム・通常ともに付与 |
プラチナ昇格条件 | プレミアム:年間400万円 | プレミアム:年間500万円 |
宿泊エリート実績付与 | 年15泊(プレミアムのみ) | 同条件(プレミアムのみ) |
ゴールドエリート自動付与
改訂前はプレミアム限定でしたが、改訂後は通常カードでも付与されます。
レイトチェックアウトや客室アップグレードなど、快適な滞在をサポートする特典を利用できます。
プラチナエリートへの昇格条件
プレミアム会員は年間500万円以上の利用で昇格可能です。
クラブラウンジアクセスや朝食無料など、上位会員の特典は旅行の満足度を大きく高めます。
宿泊エリート実績付与(15泊分)
プレミアムカード会員には、毎年15泊分の宿泊実績が付与されます。
年間宿泊日数の条件が短縮され、上位ステータスを狙いやすくなります。
旅行・買い物を支える付帯特典
マリオットボンヴォイアメックスカードは、旅行や日常の買い物を快適にする多彩な特典を備えています。
改訂後は旅行保険やショッピング保険が強化され、ラウンジサービスや手荷物宅配などの利便性も維持されていますが、一部内容が見直されました。
旅行・買い物特典比較(改訂前 vs 改訂後)
項目 | 改訂前 | 改訂後 |
---|---|---|
海外旅行保険 | 最高5,000万円 | 最高1億円 |
国内旅行保険 | 最高2,000万円 | 同条件 |
ショッピング保険 | 最大200万円 | 最大500万円(スマホ・オンラインも対象) |
空港ラウンジ利用 | 国内28空港+海外1空港 | 国内対象縮小(主要空港中心) |
手荷物無料宅配 | 成田・中部・関西空港で往復1回無料 | 同条件で継続 |
ダイニング特典 | なし | 月25ドル(年最大300ドル)クレジット |
海外・国内旅行保険の補償内容
海外旅行保険は最高5,000万円から最高1億円に改善。国内旅行保険も継続され、旅行中の安心感が高まりました。
空港ラウンジサービス
国内主要空港と海外1空港で利用可能。2025年6月1日改訂後は対象空港が縮小されたため、利用前に確認が必要です。
《2025年6月1日以降に使える空港》
新千歳空港 羽田空港(第1ターミナル・第2ターミナル・第3ターミナル)成田国際空港(第1ターミナル・第2ターミナル)中部国際空港 伊丹空港 関西国際空港 神戸空港 広島空港 福岡空港 長崎空港 熊本空港 鹿児島空港 那覇空港 ハワイ ダニエル・K・イノウエ国際空港
《2025年6月1日以降に使えない空港》
函館空港 青森空港 秋田空港 仙台国際空港 新潟空港 富山空港 小松空港 岡山空港 米子空港 山口宇部空港 高松空港 松山空港 徳島空港 北九州空港 大分空港
手荷物無料宅配サービス
国際線利用時、成田・中部・関西空港でスーツケース1個を往復無料配送。大きな荷物を持たずに移動できます。
ダイニング特典(月25ドルクレジット)
海外を含む対象レストランで毎月25ドルまで利用額が戻ります。年間最大300ドル分の食事代を節約可能です。
ショッピング保険(最大500万円)
購入商品の破損や盗難を年間500万円まで補償。スマホやオンライン購入も対象です。
カードデザインとサービスの刷新
改訂により、カードデザインとサービスも刷新されました。新デザインは黒を基調とし、番号は裏面に配置。高級感とセキュリティ性が向上しました。切替スケジュールも事前確認が必要です。
カードデザイン・サービス比較(改訂前 vs 改訂後)
項目 | 改訂前 | 改訂後 |
---|---|---|
カードデザイン | 表面番号あり | 黒基調・裏面番号 |
サービス刷新点 | 大きな変更なし | 新デザイン発行・サービス見直し |
切替時期 | ― | 新規・切替:2025年8月21日〜 既存会員:2025年10月28日以降順次 |
新デザイン(黒ロゴ・裏面番号)
黒を基調にした新デザインで洗練された印象に。番号を裏面に移すことで情報漏洩リスクを低減します。
切替スケジュールと注意点
新規・切替は2025年8月21日から開始。
既存会員は10月28日以降順次切替予定。
旧カードの有効期限や更新時期を事前確認しておくと安心です。
改訂後のメリット・デメリット
2025年8月の改訂では、特典や補償が強化された一方で、年会費や利用条件が大幅に引き上げられました。
高額利用者や宿泊頻度の高い人にとってはメリットが大きいですが、利用頻度が少ない場合は費用対効果が下がります。
改訂後のメリット・デメリット比較
視点 | メリット | デメリット |
---|---|---|
年会費・条件 | ゴールド資格が通常カードでも付与 | 年会費が大幅増額、条件厳格化 |
特典内容 | 無料宿泊上限拡大、保険強化 | 無料宿泊条件が旧制度より大幅上昇 |
付帯サービス | 海外旅行保険1億円、ショッピング補償拡大 | 国内ラウンジ対象縮小 |
利便性 | 新デザインで高級感、宅配継続 | 条件未達では特典が使えない |
メリット(ポイント・特典・補償)
ゴールド資格が通常カードでも自動付与。
無料宿泊上限拡大により高級ホテルも対象に。
海外旅行保険は最高1億円、ショッピング補償も最大500万円に強化されました。
デメリット(年会費・条件厳格化)
プレミアム82,500円、通常34,100円と年会費が高額化。
無料宿泊特典条件は150万円→プレミアム400万円/通常250万円へとカード決済額が大幅アップ。
利用頻度が少ない人にはハードルが高くなりました。
どんな人におすすめ?活用シナリオ
改訂後は、特典を最大限に活かせる人ほどメリットが大きいカードです。
逆に条件達成が難しい場合、年会費負担が目立ちます。
自分の旅行スタイルと年間支出額を照らし合わせて判断しましょう。
おすすめできる人
- 年間利用額がプレミアム400万円/通常250万円以上
- マリオット系列ホテルを頻繁に利用する
- 上級会員特典を活用して旅行満足度を高めたい
- 旅行保険やショッピング補償を重視する
おすすめしづらい人
- 年間利用額が条件に届かない
- マリオット系列ホテルの利用頻度が低い
- 年会費の元を取りにくい支出構造の人
まとめ
マリオットボンヴォイアメックスカードは、2025年8月の改訂で高額利用者向けの色合いを強めました。
特典や補償の充実度はトップクラスですが、条件達成できなければ費用負担が重くなります。
旅行や宿泊の頻度、年間利用額を十分に見極めたうえで活用することが、最大のメリットを引き出す鍵となります。